書道具には水滴、印材、文鎮など様々な道具を用いりますが、その中で最も重要とされているのが文房四宝(硯、筆、墨、紙)という4種類の道具です。

硯は固形墨を摩り、きめ細かい墨汁を得るために必要な道具です。

硯には石英などの細かい粒が入っており、その粒の大きさや密度によって出来る墨汁の具合が変わってきます。

粒が細かくて密度が濃い硯ほど、きめの細かい墨汁を早く得ることが出来ます。

なかでも下記の4つは「中国四大名硯」と呼ばれ、美しい色合いと細やかな工芸技術から実用品としてだけではなく美術品としても大変価値があります。

 

端渓硯(たんけいけん)

質の高い端渓硯は赤子の肌のようなしっとりさや女性的な艶やかさが特徴です。

また端渓の石は細かい彫刻にも向き、様々な意匠の彫刻を施した硯が多く見られます。

端渓硯の価値の第一は磨墨液が持つ溌墨の範囲の広さですが、加えて石紋の現れ方、そして彫刻の精巧さ、色合い、模様などの視覚的な美しさも価値となります。

歙州硯(きゅうじゅうけん)

端渓硯と並び称される硯です。歙州硯は女性的な端渓硯に比べ、男性的な重厚さを持つのが特徴です。

石質は重く硬いため、彫刻には向かず叩くと端渓よりも金属的な高い音がします。

洮河緑石硯(とうかくりょうせき)

端渓硯を超える名硯とされますが河の氾濫により採石場所が不明となったため、短期間で途絶えてしまいました。

現存するものは極めて貴重であり、入手はほぼ不可能とされています。

澄泥硯(ちょうでいけん)

うるおいを含んだ素朴さを感じさせる硯で石硯の比ではないといわれています。

澄泥硯の最上のものは鱔魚黄澄泥(せんぎょこうちょうでい、ベージュ・くすんだ黄色)で、その次は緑豆砂澄泥(りょくとうしゃちょうでい、緑色・黒または青まじり)とされています。

 

油煙墨

油煙墨は、色は艶と深みのある純黒で、硯あたりも滑らかななのが特徴です。

松煙墨

松煙墨は油煙より墨色が複雑です。

墨が古くなるにしたがって墨色に変化が現れ、一層青味が強くなっていき、青墨といわれる高級墨となります。

 

毛筆の材料は馬、羊、狸、イタチ、猫など様々です。

また材料は一種類ではなく、混ぜ方でさまざまな筆ができ、毛の硬さによって、剛毛、柔毛、兼毛に分けられます。

そのため書体に合った筆が使われます。

 

書道用紙は画仙紙(がせんし)と料紙(りょうし)の2種類があります。

画仙紙は漢字、料紙は仮名を使用する際に用いられます。

また、手漉きの紙はパルプ紙では出せない表現の幅を出すことが出来ます。